合理的に見えて実は非合理な判断

買いたいと思っていたミュージックプレイヤーが1週間の期間限定で半額となっています。
半額なので喜んで購入しようとします。しかし、パソコンの修理でお金がかかることを思い出しました。

この状況でミュージックプレイヤーを購入するという合理的な選択を取れる人は、多くありません。
これは本来は無関係な情報にもかかわらず、その情報を考慮に入れてしまうことで非合理な判断をしているということになります。
合理的に考えればミュージックプレイヤーとパソコンの修理は、別々に考えるべき事柄であり、どちらか一方を選択しなければいけない理由はないのです。なので1週間しかない半額での購入を優先するのが合理的なのです。
しかし、修理にお金がかかるという、情報によって合理的なメリットが見えなくなり半額セールをあきらめる人が多いのです。
関係のない情報によって合理的な判断をしているつもりでも、いとも簡単に、非合理な判断をしてしまうのです。

おまけに釣られていつの間にかおまけがメインになってしまう

世の中にはさまざまな種類のポイントカードが存在します。
家電量販店のポイントカード、スーパーのポイントカード、電子マネーカード、航空会社のマイレージカードなどなどあげればきりがありません。
こうしたカードは、ポイントがたまると景品がもらえたり、キャッシュバックがあったり、あるレベルに達する特典を受けられたりします。
あくまでお金を使ったことに対するおまけです。しかしおまけはとても魅力的で、多くの人がおまけを集めることに夢中になってしまいます。おまけによって消費した金額を少しでも取り返せたことで、大きな喜びを感じるためです。そしてそのおまけのおかげで真の姿、本当の姿が、見えなくなっています。
本来はおまけであったものが、いつの間にか目的になっておまけのためにお金を使うようになります。
本来の目的から外れた行動なのに、それを喜んでしまうのは、おまけの魔力によって幸せな気持ちにさせられるためなのです。

労力を使えば使うほど撤退しにくくなる

人間は労力を注ぎ込めば注ぎ込むほど、そこから撤退しにくくなります。
ここまで待ったのだから、もう少し待ったって同じこと。
今あきらめてはもったいない。これまでの忍耐が、水の泡になってしまう。
多くの人はこれまでに行列に並ぶことに耐えてきた自分の労力に対し、何らかの成果、報酬、見返りを求めます。
いくら行列から離れることが賢明な判断だと、頭ではわかっていても、それでは見返りをあきらめることになってしまうのでそうした行動はとりたくありません。
それに、見返りをあきらめてしまったら、これまでの努力を完全に否定することになり、自分した行動のおろかさを自分で認めることになってしまいます。

労力を無駄に消費したことを認めるよりは、わずかでも見返りを得る可能性にかけてしまうのが、人間の心理なのです。
労力、時間、お金を多く注ぎ込むほど、それに比例して、そこから撤退することがますます難しくなっていきます。
本当はもう潮時とわかっていながらも、これまで費やしたものが多ければ多いほど、あきらめることができなくなる葛藤です。

撤退すると決めたらすぐに撤退する、これが合理的な行動といえます。