脳を知り記憶のメカニズムを知る

 覚えることも忘れることも、すべて脳の仕業です。脳を知り、記憶のメカニズムを知ることで、物忘れや記憶の衰えが起こる理由を学ぶことができます。

 記憶と感情はとても深いつながりがあります。喜怒哀楽の感情を伴ったとき記憶はいつまでも残り続けます。
知能と感情は別物ではなく、記憶力も知能のひとつです。これは、暮らしか豊かなものになれば記憶力が増してくるということです。

 大切なことを覚えるためには、それ以外のことを記憶しないという癖が、脳にはあります。意識をひとつのことに集中すればするほど、ほかの情報は頭に入ってきません。つまり忘れないためには、意識を集中する必要があります。どんなに記憶力がいい人でも、意識の外にある情報は素通りして、記憶に残りません。物覚えがいいというのは、集中の仕方がうまいといえます。

物忘れの理由

 脳に刺激を与えていない生活を続ければ、記憶力が低下していき、物忘れが増えてきます。
これは、普段から運動不足で体を鍛えていないと、少し運動しただけで、すぐに息切れする状況と同じと言えます。

 またコミュニケーションの欠落によって、脳を使わなくなることでも記憶力が低下していきます。
普段から、パソコンやスマートフォンばかりを使用していると、いかにも現代の最新技術を使いこなしているように見えても、実際はごく限られた部分しか使われていません。そんな生活が長く続くと、脳が持つ本来の機能がどんどん衰えていきます。

 会話はほとんどせず、自分で文章を書くこともなく、毎日決まった道順を往復するだけ。このような生活がどんどん脳を衰えさせていきます。
脳を衰えさせないためには、トレーニングというよりも、日々の生活の変化をつけるということを意識する必要があります。

脳が興奮したことは忘れない

 どんな人でも、好きなことや興味があることは忘れません。物忘れが増えてきたということは、脳が興奮する頻度が減っているということになります。

 逆に脳が興奮しなかったことは覚えていません。

 人が何かを思い出すとき、自分にとって一番印象的な場面が、まず浮かんできます。これは、脳がその出来事の中で一番興奮したために、真っ先に思い出されるのです。

人と会話する機会が減ったら危険

 人と会って話すということは、物忘れを防ぐためには大切な習慣となります。話すことで記憶が確かなものになるだけではなく、他人とコミュニケーションすることで脳が刺激を受けるためです。

 ひとつの体験や記憶を自分の中だけにしまいこんでおくより、周囲の人に話したりしているうちに、体験や記憶がより強固なものとなります。

 会話する機会がないという状態は刺激も少なく、興奮することもなく、ただぼんやりとしています。退屈な状態はどんどん物忘れをする原因となります。

退屈な生活スタイルは物忘れを加速させる

 脳全体を刺激することなく暮らせば、物忘れが増えていきます。
変化や刺激のない退屈な生活スタイルは、感情をどんどん老化させていきます。感情の老化ということは、楽しいことや嬉しい事で気持ちが満たされなくなる状態です。あるいは物事への興味や関心を失っていきます。これは外の世界への関心を失うということです。他人の意見を聞かなくなったり、自分の考えや習慣にこだわるようになった状態です。

 このような状態が、脳への刺激を奪ってしまうのは明白なことです。脳は快感を味わうことができません。次第にやる気をなくしていくのです。

 このような状態を改善する最善の方法は、気軽になることです。つまらない、面倒などといった先入観を捨てて、少しでも興味がわいたことには、気軽に手を出してみる、というのが大事です。

 だまされたつもりで手を出したことが意外と楽しいということは珍しくありません。きっかけはどこに転がっているかわかりません。自分の思い込みより脳みその好奇心にしたがってみる事が、脳の老化を防ぎ物忘れを改善して記憶力を高めることになるのです。